2002年4月17日水曜日

【裁判例情報】ソニー生命保険事件

ソニー生命保険事件(東京地裁平成11年3月26日判決)

(事実の概要)
生命保険業を営むY社において、営業担当社員(ライフプランナー)として勤務していたXは、Y社から業務に必要とされるパソコンの貸与を受けていたが、このパソコンを3度にわたり質入し、結果として同パソコンは質流れで他に販売された。Y社の就業規則には「会社の金品等を費消または流用したとき」に懲戒解雇するものとの定めがあり、また、Y社の退職金規程には、懲戒解雇の場合は退職金を減額し又は支給しない旨の規定があった。Y社は、これら規定に基づき、Xを懲戒解雇とし、退職金を支給しなかった。Xは、パソコンの質入れにより自らが得た利益はわずかであり、懲戒解雇処分は重すぎるとして、懲戒解雇処分の取消し及び退職金の支払を求めて出訴した。

(判決の要旨)
Xが、Yからライフプランナーに貸与されていたY社所有のパソコンを3回にわたり質入れしたあげく、質流れとなってしまった事実は当事者間に争いはなく、Y社の就業規則32条1項(8)に規定する懲戒解雇事由「会社の金品等を費消又は流用したとき」に該当することは明らかである。
<Xは本件解雇が処分として重すぎると主張するが、>Y社のライフプランナーは、生命保険会社の営業社員であり、顧客から保険料等金銭を預かることも業務に含まれることからすれば、金銭に対しては、とりわけ潔癖性が要求されるのであって、そのことからすれば、Y社の損害額が約20万円とさして大きくなく、質入れによるXの利益がわずかであったとしても、見過ごしにはできない非行であることは否定できない上、パソコンを質入れしている期間、Xはパソコンを使用できず、Y社の方針に反していたほか、業務上全く支障がなかったともいえず、Xの職務遂行態度に問題があることも否定できない。
したがって、本件解雇には、合理的な理由があり相当であり、懲戒権の濫用には当たらず、有効である。前述のとおり、本件解雇は有効であるところ、<Y社の退職金規程>によれば、懲戒解雇の場合、退職金は支給されない旨規定されていることから、Xには退職金請求権は認められない。

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