2002年4月17日水曜日

【裁判例情報】日通名古屋製鉄作業事件

日通名古屋製鉄作業事件(名古屋地裁平成3年7月22日判決)

(事実の概要)
Y社は、訴外A社における製品及び原材料の運搬並びに各種荷役作業を業としており、Xは大型特殊自動車運転手としてY社に雇用されていた。Xは、同僚と口論となり、同人に暴行して全治1週間の傷を負わせた。Y社はこの事実を受け、Xに対して10日間の自宅待機を命じた上で、Xを譴責処分に付し、かつ、作業長から副組長へと降格させる処分を行った。Xは、譴責及び降格処分の無効確認のほか、自宅待機期間中の賃金の支払等を求めて出訴した。

(判決の要旨)
Y社が賃金の控除をした根拠は、<Xの暴行事件以前にY社内で発生していた同様の事件>の際に同様の措置が執られ、それ以降、懲戒問題が生じて自宅謹慎を命ぜられ、後に懲戒処分が決定した場合その期間は欠勤扱いとする旨の慣行が成立しており、訴外組合もそのことを了承していたということにあると認められる。しかしながら、このような場合の自宅謹慎は、それ自体として懲戒的性質を有するものではなく、当面の職場秩序維持の観点から執られる一種の職務命令とみるべきものであるから、使用者は当然その間の賃金支払義務を免れるものではない。そして、使用者が右支払義務を免れるためには、当該労働者を就労させないことにつき、不正行為の再発、証拠湮滅のおそれなどの緊急かつ合理的な理由が存するか又はこれを実質的な出勤停止処分に転化させる懲戒規定上の根拠が存在することを要すると解すべきであり、単なる労使慣行あるいは組合との間の口頭了解の存在では足りないと解すべきである。本件においては、右緊急かつ合理的な理由又は懲戒規定上の根拠の存在を認めるに足りる証拠は存在しないから、Y社が行った右賃金控除は、単なる賃金不払いとみざるを得ず、したがって、本訴請求中、右控除分につき賃金支払を求める部分は理由がある。

0 件のコメント:

FBlog = エフブロ =

FOURBRAINオフィシャルブログ
研修などの活動実績、ご提供している資料、法改正情報及び判例情報などをご紹介しています。